堅物弁護士が占い好きな私に恋を教えてくれました
§2.真実を知る
◇◇◇
「なにそれ、最悪じゃん」
翌日のお昼休み、叶実にカフェでの出来事を話した。
彼女はこれでもかというほど顔をしかめつつも、しっかりと私の話に耳を傾けてくれた。
「羽瀬川先生の言うとおりだよ。なにか反論ある?」
「……ありません」
「それなら答えは出てるじゃない。お金は絶対に貸しちゃダメ。ていうか、電話番号は着信拒否、SNSはブロック。それで終了よ。はい、今すぐやる!」
「いや、でもさ……」
スマホを手にまごまごとしていると、叶実がガックリと肩を落とした。
だけど私にはどうしても、冷然と突き放すような態度は取れない。
たしかに、これから交際を始めようとしている相手にいきなりお金を貸して欲しいと頼むのはおかしい。それは私もわかっている。
でも、まだ確定じゃない。孝乃原さん自身からなにも聞けていないのに、勝手に判断したくなかった。
「そういえば! 桜小路先生が言ってた」
「なんて?」
「お互いをよく知らないあいだは理解できないこともあるけど、ふたりはわかり合えるはずだって」
先生はきっと、このことを予言していたのだ。
占いでそんなふうに出ているのなら、なおさら彼と話して理解を深めなきゃ。
だから今はまだ、一縷の望みにすがっていたい。
「なにそれ、最悪じゃん」
翌日のお昼休み、叶実にカフェでの出来事を話した。
彼女はこれでもかというほど顔をしかめつつも、しっかりと私の話に耳を傾けてくれた。
「羽瀬川先生の言うとおりだよ。なにか反論ある?」
「……ありません」
「それなら答えは出てるじゃない。お金は絶対に貸しちゃダメ。ていうか、電話番号は着信拒否、SNSはブロック。それで終了よ。はい、今すぐやる!」
「いや、でもさ……」
スマホを手にまごまごとしていると、叶実がガックリと肩を落とした。
だけど私にはどうしても、冷然と突き放すような態度は取れない。
たしかに、これから交際を始めようとしている相手にいきなりお金を貸して欲しいと頼むのはおかしい。それは私もわかっている。
でも、まだ確定じゃない。孝乃原さん自身からなにも聞けていないのに、勝手に判断したくなかった。
「そういえば! 桜小路先生が言ってた」
「なんて?」
「お互いをよく知らないあいだは理解できないこともあるけど、ふたりはわかり合えるはずだって」
先生はきっと、このことを予言していたのだ。
占いでそんなふうに出ているのなら、なおさら彼と話して理解を深めなきゃ。
だから今はまだ、一縷の望みにすがっていたい。