堅物弁護士が占い好きな私に恋を教えてくれました
そんなわけがない、おこがましい、恐れ多い。
気づき始めていた感情に蓋をして、今日まで否定し続けてきたのに。
観念して自分自身で認めたら、解き放たれたように気持ちがとめどなく溢れてきて、どうしたらいいかわからなくなった。
「ありがとうございます。……感動してうまく笑えているか自信はないんですけど」
言われたとおり、頭を下げつつにこりと微笑んでみる。
すると彼は「君は本当に素直だな」とうれしそうな顔をしてくれた。
「この豪華な部屋も先生が準備を?」
「いや、違う。控室として使う部屋がほしいと伝えたら、勇気がここを手配したんだ。こんなに広くなくてもよかったけど使わせてもらおう」
「ふ、副社長が?!」
「そこまで驚かなくても」
羽瀬川先生と副社長は公私ともに仲がいい。
なので今回のパーティーに副社長が絡んでいたとしてもなんら不思議はない。
だけど、普段接点のない私がこのあと副社長と対面してあいさつを交わすとなると、それこそ恐れ多くて今から足がすくみそう。
「泊まって帰る?」
「ええ?!」
「冗談。でも、本当に泊っても俺は構わないけど?」
まさか、堅物弁護士と評判の羽瀬川先生がこんな冗談を言うなんて。
驚いて口をパクパクさせていると、してやったりとばかりに彼が肩を揺らせてクスクス笑った。
たわいない冗談のつもりかもしれないが、自分の気持ちを自覚したばかりの私には心臓に悪い。
気づき始めていた感情に蓋をして、今日まで否定し続けてきたのに。
観念して自分自身で認めたら、解き放たれたように気持ちがとめどなく溢れてきて、どうしたらいいかわからなくなった。
「ありがとうございます。……感動してうまく笑えているか自信はないんですけど」
言われたとおり、頭を下げつつにこりと微笑んでみる。
すると彼は「君は本当に素直だな」とうれしそうな顔をしてくれた。
「この豪華な部屋も先生が準備を?」
「いや、違う。控室として使う部屋がほしいと伝えたら、勇気がここを手配したんだ。こんなに広くなくてもよかったけど使わせてもらおう」
「ふ、副社長が?!」
「そこまで驚かなくても」
羽瀬川先生と副社長は公私ともに仲がいい。
なので今回のパーティーに副社長が絡んでいたとしてもなんら不思議はない。
だけど、普段接点のない私がこのあと副社長と対面してあいさつを交わすとなると、それこそ恐れ多くて今から足がすくみそう。
「泊まって帰る?」
「ええ?!」
「冗談。でも、本当に泊っても俺は構わないけど?」
まさか、堅物弁護士と評判の羽瀬川先生がこんな冗談を言うなんて。
驚いて口をパクパクさせていると、してやったりとばかりに彼が肩を揺らせてクスクス笑った。
たわいない冗談のつもりかもしれないが、自分の気持ちを自覚したばかりの私には心臓に悪い。