堅物弁護士が占い好きな私に恋を教えてくれました
「六歳年上でAB型。ここは合ってたんだけどね。しし座じゃなくてふたご座だった」
「ま、完全に一致する人のほうが珍しいよ」
「うん。それに、私なんかが先生みたいなすごい人とお近づきになれるわけないしね。恐れ多い」

 副社長や羽瀬川先生のような男性は、遠くから眺めて目を養うくらいがちょうどいい。
 本気になってアプローチしても、大勢いる女性の中から自分が選ばれるとは思えないから。

「だからこそ、孝乃原さんってすごく貴重な存在なの」
「そっか。あっちから付き合ってほしいって言ってきたんだし、静珂がその気ならうまくいくかもだよね。応援してる」

 そんな会話をしている中、タイムリーに孝乃原さんからメッセージが届いた。
 叶実からニヤニヤとした視線を送られつつ、スマホを操作して確認する。

【今夜、少し会えない?】

 メッセージにはそう書かれてあり、待ち合わせの場所として会社の近くにあるカフェが指定されていた。

「今日、孝乃原さんと会ってくる」
「静珂が返事をするなら、カップル成立じゃん」

 冷やかすようにトントンと肘でつついてくる叶実へ満面の笑みを返す。
 奇跡的に出会えた運命の人との今後に、ワクワクが止まらなかった。

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