堅物弁護士が占い好きな私に恋を教えてくれました
「先生……」

 紅潮した顔がまた、俺の色欲をそそって仕方ない。
 このまま彼女を抱きたい。素直にそう思った。

 灯りのついていない隣の部屋へ移動し、彼女をベッドの上にそっと下ろす。
 勢いのまま彼女の上に覆いかぶさり、頭を撫でながら瞳を射貫いた。

「嫌なら言って」

 暗がりの中でも彼女の瞳がゆらゆらと揺らめいているのがわかった。
 この展開に困惑しているのだろう。
 甘い一夜を過ごしたい気持ちはあるが、彼女がほんの少しでも怖い、嫌だと感じるのならここまでだ。

「夢なら醒めないでほしいです。だから……嫌じゃないです」

 彼女の両手をシーツに縫いつけ、小さくて愛らしい唇を再び奪う。
 怖がらせないようにやさしく触れながらも官能的に。

 透き通るような彼女の白い肌に赤い花を咲かせたい。
 首から肩のラインを撫でると、驚くほどスベスベでやわらかくて、俺の本能が一気に目覚めるのが自分でもわかった。

「……静珂」
「あっ……!」

 彼女の名前を呼んだのは初めてかもしれない。
 首筋にキスをしながら耳元で名を紡ぎ、太ももを撫であげると静珂が甘い声を出した。
 
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