堅物弁護士が占い好きな私に恋を教えてくれました
 ていねいにやさしく抱きたい。無理はさせたくない。
 そう思うのとは裏腹に、俺は欲望のまま彼女のドレスを脱がせていた。

「綺麗だ」
「……恥ずかしい、です」

 半開きになった静珂の唇が色っぽくて、吸い寄せられるように重ねて深くむさぼる。
 
「あぁ……先生……」
「先生はなし。名前で呼んで」
「……亜蘭さん」

 こんな単純なことがうれしいなんて言ったら、静珂は笑うだろうか。
 満足した俺は微笑んで身体中にキスを落とす。

 俺たちは愛し合ったあと、素肌を寄せたまま朝まで眠った。
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