夏が消えてゆく
流れてくる情報ひとつひとつ、全てがふゆに結びついて、もう忘れると決めたのに未練がましいなぁと自嘲が零れた。
もう、この村に戻ってくることはない。
佐藤には朝一番で退学届けと手紙をつけて佐藤の家のポストに投函してきた。
たくさん相談に乗ってもらった応酬がこんなんなんて、申し訳ないとは思うけど
「 今まで、お世話になりました。 」
ふゆを少なからず傷つけた俺から、残せる言葉があるとするならば
どうか、元気で。
願わくば、俺の大好きだった笑顔でいて欲しい。
「 あら、朝焼けが綺麗ね 」
「 ……… ほんとだ。 」
どうか、幸せでいて欲しい。