夏が消えてゆく
「 須藤 夏稀 」
「 はい 」
「 三峰 冬華 」
「 はーい 」
「 桃原 愁人 」
「 …… 」
「 そして俺、よし全員いるなー」
たった3人。
聞きなれた声のトーンに、聞きなれた栄町のイントネーション。
変わらない、いつもの佐藤。
さっきの涙声、聞き違いだったんじゃないの
だって夏稀も愁人もいつも通り。
なんだそっか、勘違いか
そんなふうに思っても、ただ得体の知れない恐怖感がグルグルと胸中を渦巻くのは変わらなくて
「 冬華? 」
「 んー? 」
「 1時間目、現代文だよ 」
ぼーっとしてたら朝の会終わってたみたい。