闇にまぎれた蛍










だが……この女ほどあんな悲しい雰囲気を出しているハンターはいなかった










女はオレの気配に気がついたのかバッ!とこっちを向いた









「……っ………」








オレは振り向いた彼女の顔に思わず息を呑んだ









……美しい………








人間にも……こんな美しい者がいたのか………?







オレは思わずその姿に魅入ってしまった









白く透き通った肌、大きな灰色の瞳。艶やかな唇、スッと通った鼻筋。短いズボンと長いブーツの間に見える足は細く美しい








立っているだけで、その美しさと存在がこの辺り一帯を覆っている







だが、月明りに照らされた彼女は触れてはいけない者のようだった










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