闇にまぎれた蛍
「……貴方もヴァンパイアね。こんな時間にウロウロしてちゃいけないでしょ?」
「…っ……」
奏は私が近付いていくにつれて顔がだんだん赤くなっていった
とうとう奏との距離あと一メートルになった時、私は止まってフッと笑った
「貴方は悪いヴァンパイアじゃない。それは私にはわかるけど、もしなりたてのハンターだったら良いか悪いかもわからないまま貴方を殺そうとするわ。……死にたくなければ早く帰りなさい」
私はそう言ってクルリと奏に背を向けて歩き出した
……奏にこんな態度取りたくなかったのにな………
私は少し後ろ髪が引かれる想いをしながら少しずつ奏と離れていった