闇にまぎれた蛍
……ヤバッ!!私ったらなんてことをおもってるの!
奏はヴァンパイアで、しかも純血なのに!
私の心の中はアワアワしていて必死で平然を装った
それに気付いてない奏は目線を私とは別の方向に泳がせていた
……奏はまだ気付いていない
だったら気付かれる前にここから去らなくちゃ!!
私は少し腕に力を入れた。それを感じ取った奏は泳がせていた目をこっちに戻した
「……私は早く帰りたいのです。この手を離してもらえませんか?」
私がそう言うと奏は少し悲しそうな顔をした
その時に奏の腕の力が緩んだ