闇にまぎれた蛍
私がハラハラしながら晴十を見ていると、晴十ははぁ……と溜め息を吐いた
「そうか……彼等も動き出したんだ………いつかは、こうなるとわかっていたが……まさか…こんなに早くに動くとは……」
そう言うと晴十は私に目線を戻し、ゆっくりと口を開いた
「この篠陰っていうのは、僕達ヴァンパイアハンターや貴族ヴァンパイアの敵………になるかもしれない者達のことなんだ」
「……なるかもしれない?」
「あぁ……」
晴十はまた落としてしまった資料をまとめてフカフカのソファに座った
でも、その行動は少しぎこちない
私は晴十の真正面に座り、晴十が口を開くのを待った
晴十は今度は覚悟を決めた真剣な目をして話出した
「篠陰っていうのは今から十数年前に出来た組織でね。最初はあまり被害とかなくてハンター達もほっておいたんだ」