闇にまぎれた蛍









だけど、茨鬼流史はその人形のような目をしたまま何も喋らずただ私を見ていた






……私は今までたくさんのヴァンパイアを見てきた………







その中で一番強い奴だからなのか……その中で一番ヴァンパイアらしいからなのか………茨鬼流史には………恐怖を感じてしまう………








そして……その人形のような瞳の中に、私と同じようなものを感じてしまうのは………なぜだろうか……







茨鬼流史は無言のまま私から武器を離した







そして武器をしまうと、何事も無かったようにドアに手をかけた







「ちょっ!茨鬼…さん!」








私は帰ろうとした茨鬼流史を呼び止めた。だってこのまま帰られちゃ後味悪いじゃん!!







だけど、茨鬼流史はドアに手をかけたままこっちを見ずにただ立っていた







………すんません











殴っていい!?怒







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