闇にまぎれた蛍
「はぁ……奏」
「……よぉ。披露」
私は全力疾走で教室に向かった。奏はものすごい申し訳なさそうな顔をして私を見ていた
私はズカズカと奏の所に行って、机をバンッ!と叩いた
「………」
「……よくも俺を置いて行きやがったな……奏。……いやそれよりも………あの零垣雪とか言う奴………おまえの婚約者だとか言ってたぞ?…どうゆうことだ?」
私が詰め寄って聞くと、奏ははぁ……と溜め息を吐いた
……溜め息吐きたいのはこっちだっつーの!!
「……おまえを置いて行ったのは悪いと思う。それは謝る。……だが、おまえに一つちゃんと教えておくことがある」
「なんだよ」
私は軽くイラついたまま奏の次の言葉を待った
「零垣雪は俺の婚約者じゃない」