闇にまぎれた蛍

いきなり教えてくれると言われて困惑したけど、平常心を保ったままヴァンパイアを見た







「…いいのですか？」


「教えてくれって言ったのはそっちだろ？……教えてやる変わりに二つ約束してほしい」







そう言って私をジッと見るヴァンパイア






……二つ…ね







「……わかりました。私に出来ることなら約束は守ります」


「……サンキュー」







私が約束すると、ヴァンパイアは初めて笑顔を見せてくれた






でも、それは一瞬のうちに消えて、すぐに真剣な顔に戻った








「……まず、先に一つ目の約束を言っておく」


「……はい」


「…話が終わったら。俺を殺してくれ」


「！？」








私は驚いてヴァンパイアの顔をきちんと見た……けど、ヴァンパイアの顔は真剣そのものだった







「……どうしてそんなことを言うのです？話してくれたならあなたは裁かれなくてもいいのですよ？」