闇にまぎれた蛍
「……わからないわ」
「……」
「勝つか負けるかなんてやってみないとわからないでしょ?」
そう言って安心させるようにヴァンパイアに微笑んだ
でも、まだヴァンパイアは不安そうに私を見ていた
「篠陰は……本当に強いぞ?……大丈夫なのか…?」
「大丈夫……とは言えないけど、やる前から負けるなんて決め付けないで欲しいな」
私がそう言ってニッと笑うと、ヴァンパイアは呆気にとられたような顔をしてフッと笑った
「……そうか…そうだな……おまえが…一番正しいよ」
「正しくなんてないけど、私はそう思ってるから」
私がはっきりとそう口にすると、ヴァンパイアはニッコリと笑った
「……さて、俺が知っていることはすべて話した。……二つ目の約束を言ってもいいか?」
「……どうぞ」
私は少し胸が痛いのを我慢しながらヴァンパイアを見た