闇にまぎれた蛍







すると、ヴァンパイアは自分の首にかけていたペンダントを外した








「……?」


「………これを…俺の恋人に渡して欲しいんだ……」








ヴァンパイアは外したペンダントから目を離さずに言った






「……恋人に…?」


「ああ……」







ヴァンパイアは私の開いている手にそのペンダントを握らせた






……半分にかけた水晶がついているペンダント………






なぜだろう……これはただの石のはずなのに………温かい……







「……その石は特別でな、俺の想いや言葉を全部残してくれるんだ」







私が水晶を見ているとヴァンパイアがゆっくりと口を開いた






私は水晶からヴァンパイアに目線を戻した






ヴァンパイアは悲しそうな顔をして私を見ていた







「……俺はもう…恋人のいる場所には戻れないんだ……」







< 184 / 244 >

この作品をシェア

pagetop