闇にまぎれた蛍








また私を呼ぶ声が聞こえた






けれど今度は振り向いてはいけない







……なぜなら






「夜魅!待てって!」








振り向かなかった私の腕を追いかけて来た奴が掴んだ






「……何の用ですか?蒼牙奏」







私は顔も見ずに前を向いたまま聞いた






奏はそんな私に苛ついたのか、無理矢理奏のほうを向けさせられた







「………」


「………」


「……離してくれませんか」


「………」








……無言かよ!!






う~ん……どうしようかな………奏は何も言わずに私を見てるし……






こんなところ晴十に見られたら……後でお説教をくらっちゃうし………







……逃げるか







私が逃げる体制に入ろうとした時、奏の手が私の頬に触れた







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