闇にまぎれた蛍









「………はぁ!?」








私が呆れた声を出しても奏の顔はいたって真面目






……どこっていっても……







「……知るかよ」


「うわっ!ひでっ!オレは真剣に悩んでるんだぞ!!」







切り株から立って私を見下ろす奏






……んなこと言われたって………





私自身に聞かれても………わかんないし







私はふぅ…と溜め息を吐いて立ち上がった







「披露!」


「自分で考えろよ。俺はトレーニングの続きをする」








そう言って私は走って森から出た






「こらぁ!披露!ちったぁアドバイスをくれたっていいじゃねぇか!」







……なんて声が後ろから聞こえたけど無視無視







……でも、なんでだろ。すごく嬉しいんだ





奏が私のことを真剣に悩んでくれてることがすごく……嬉しい






私は顔が綻ぶのを感じながらジョギングをした








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