闇にまぎれた蛍
さっきとはうって変わった氷のような……冷たい表情をしている雪
「……まさか…披露にばれるなんてね。思いもよらなかった。やっぱりあなたはただ者じゃないわね。前言ったように私の愛人にならない?」
「断る。それよりもまず、さっきの質問の答えのほうが先だ」
私は軽くイラッとしながら雪を見た
そんな私を見て雪は含み笑いをして真剣な顔になった
「……披露。あなたも知っているのでしょう?蒼牙くんの血の秘密を………」
「血の秘密……?」
何それ?というふうに雪を見ると、雪は驚いた顔をした
「……披露…まさか………知らないの?」
「知るも何も奏は普通の純血だろ?ちょっと力が強いようだが…」
私がそう言うと雪は驚いた顔からあきれた顔になった
「あなた……何も知らないで蒼牙くんと一緒にいたの?」
「……別に、何も知らなくてもあいつはあいつで、俺の友人に変わりない」