闇にまぎれた蛍









雪は、まるで私が奏を利用しようとしているのじゃないの?という言い方をされてちょっとムッとして言い返した






だって、話しかけてきてくれた奏のおかげで私はこの学園で楽しく暮らせてるんだ








そんな奏を利用しようなんて思わない






「……いいわ。知らないなら教えてあげる」









雪はそう言って私の頬に触れた







私はジッと雪を見たまま、そらすことはしない






そらすということは……負けるということ









そんな私に雪はフッと笑って私に抱き付いた








「!!」


「……あなたが特別であったなら…私は……あなたと楽しく生きられていたのでしょうか……」








ぐっと抱き締める力を強めた雪






……でも、その力は少し弱々しい………







私が困惑しながらそのままでいると、雪は口を私の耳元に寄せた







「彼……蒼牙奏は……














純黒血者の血をもっているわ」







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