闇にまぎれた蛍
私はニッコリと笑って雪の頭を撫でた
「雪…もう大丈夫だ。もう無理に奏に近付かなくてもいい。もう自由にしてもいいんだ」
「披露……」
「大丈夫。俺がなんとかする」
私がそう言うと、雪はようやく落ち着いた笑顔を見せた
「……んじゃ、教室に戻るか」
「うん。……ありがとね。披露」
私は返事の変わりに笑って屋上のドアを開けた
雪と別れて教室に向かうと奏はもう来ていた
「おっす。奏」
「二度目だな。おっす」
……朝のこと忘れたみたい。ラッキー♪
私はいつもの自分の席に座った
すると、奏は少し眉間にシワがよった
「どうした?」
「……おまえ、零垣といたのか?」
ちょっと不機嫌ぎみに私を見る奏
……鋭い…