闇にまぎれた蛍








奏は、まるで俺達は人間とは違う存在……近付くなとでも言いたげな顔をしていた






……確かに、奏はヴァンパイア。しかも純血







私も人間とは言えない存在。だけど










「……誰であろうと助ける。だって、どんな存在であろうとも生きてることには変わらないから」







私はそう言って応急処置を続けた







奏が私をジッ…と見ているのがわかる。でも私はそれに気付かないふりをした









……奏にはなにかある。さっきの言葉には人間を毛嫌いしているような感じがあった






そんなことを思いながら私は女の子を治療していた







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