闇にまぎれた蛍
私は愛銃から手を放し、奏を見た。でも、奏は私を見ずに下を向いている
「おまえは……人間が好き………か?」
「………はぁ?」
いきなり何を言い出すんだろ?
人間が好き?……それは………
「……嫌いだ」
「………」
「人間は………嫌いだ。自分勝手だしわがままだし、気に入らない事があるとすぐに手をだす。それなのに他の奴等は知らん顔ばかり」
私が昔住んでいた所の人達も……そんな感じだった………だからこそ分かる
「相手がどうなろうと構うもんかなんて考えていない。……人間なんてそんなもんさ」
冷たい目……今まで幾度となく見てきた。その度に必死で泣くのをこらえていった