闇にまぎれた蛍
人間は馬鹿な人ばかり、ハンターになったばかりの頃はよく思っていたことがある
……なぜあんな人間を助けなければならないんだろ………
昔の私は何にも分かっていなかった子供だった。だからこんなバカなことを考えていた
……今となってはいい思い出になるのにな………
「………じゃあ、なぜその嫌いな人間を助けた?」
私が昔のことを考えていると、奏が今度はちゃんと私の目を見て言った
………どうして助けたか……
「……さっきも言っただろ?どんな奴でも生きているんだ。この世界に存在しているんだ。俺達とは、はるかに短い時を懸命に生きているんだ。……俺はそんな命をみすみす死なせてしまうような奴にはなりたくない」