闇にまぎれた蛍
汗がダラダラ流れてる……茨鬼流史は思いっきりこっちを睨んでるし………
どっどうしよう……泣
「それくらいにしなよ。流史。明賀くんは睨んだわけじゃないよ」
私がどうやってこの場をしのごうかと考えていたら、三年の純黒血者の岬波紅瓜が助け船を出してくれた
「……いや。さっきのは絶対睨んだ」
「そう見えただけだよ。実際僕にはそう見えなかったし」
「でも………」
「僕が睨んでないって言ったら睨んでないんだ」
ズンッといっきに空気が重くなった。さっきまで偉そうにしていた茨鬼流史が一瞬のうちに堅くなった
「ねっ?明賀くんは睨んでないよね?」
「……っ…睨んで………なかった……です」