闇にまぎれた蛍










私が茨鬼流史に心の中で怒っていると、岬波紅瓜がそれに気付いたのか苦笑いをしながら再び口を開いた









「とにかく、その二つを調べてもらえるように学園長な頼んで欲しい」


「わかりました。とりあえず頼んでみます」







それを聞いて安心したのかとても柔らかい笑顔を見せた岬波紅瓜






……こんな顔をするけど、ヴァンパイアなんだよね………








「じゃ、僕達は帰るとするよ。夜遅くにごめんね」


「……頼んだぞ」








岬波紅瓜と白突星邪はそう言って部屋から出ていった。でも………









「………帰らないのですか?」


「…………」







なぜか茨鬼流史はまだここに残っている








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