闇にまぎれた蛍








まだ寂しそうな顔をしている奏に向かって私はゆっくりと息を吸って歌った






私が歌いだしたことに驚いたみたいで、奏はすっごく面白い顔をしていた





……せっかくの綺麗な顔がだいなしだね








私は笑みを浮かべながら歌っていた






やがて、一度は一緒に歌うのをやめた植物達も、また一緒に歌いだした







「……すごいな………こんなにも植物達を一つにさせるなんて……」







奏はそう言って笑った






………今度は寂しそうな顔をしていない……






よかった……







私は安心して歌った






奏は近くの切り株に座り、私達の歌を聞いていた








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