線香花火が、長く、続くように
食材を食べ進め、そろそろ片付けを始めようか、というタイミングで
和輝が「ちょっと皆、いいですかー?」と部員に声をかけた。
部員達が話をやめ、それぞれ立っている場所から和輝に目線を向ける。
皆が傾聴の姿勢を見せたことを確認してから、和輝はゆっくりと話し始めた。
「えーっと、部長になりたての身で大変申し訳無いんだけど…部長を交代することになりました。」
杏奈も含めた部員全員から、えっ!?という声が上がる。
只事ではない空気が一気に漂った。
そんな空気を察しながらも、和輝は話を続ける。
「交代にあたって一部の人には話をしていたんだけど、部長を降りる理由は…俺が転校することになったからです。」
えー!転校!?という声が色んなところから上がった。
杏奈は、声も出ない程、衝撃を受けていた。
胸が締め付けられ、急に脈が乱れるのを感じた。
息が、苦しい。
部員達が様々な反応を見せる中、和輝は構わず話を続ける。