ご主人様と使用人

第1章

【時雨】

その日 いつも通り使用人として仕事をしていた。

すると、急に目眩がしてしゃがみ込む。
だんだん身体が火照り、息も荒くなっていく。

ふと 何かの匂いに敏感になりそれを頼りに重い腰を上げた。

フラフラする。熱い。苦しい。

決死の思いでたどり着いた所は裏町にある酒場だった。

中に入ろうとすると入口に立っていた男が

『合言葉はありますか?』

と問う。
私は今そんな事考えている暇は無い。
とにかくこの匂いの正体を知りたいのだ。
でも合言葉を言わないと中に入れない。

『ッはぁ… 大蛇…ッ________________________』

ここで私の意識は途絶えた。
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