花火に目がくらんでオチテいく
ベッドに移動して寝かされる。
いつもより荒々しいキス。
あんな話をした後だから?


それでも長く、時間をかける。私の口内にあるふたつの舌。わざと音を出すように舌を絡めてくる。


「好き、好き、大好きだよ」


キスの合間にトワくんが囁く。
私のファーストキスはトワくんだから、他の人のキスは分からないけど。多分、トワくんはキスが上手なんだと思う。


心拍数があがる。
勝手に声が出る。
体が熱くなる。


こんな異様な空間で、キスだけで気持ちよくなっている私はおかしいのかもしれない。

左に顔を背けると、フッと優しく笑ってトワくんが見下ろしてくる。



「あんずちゃん、気付いてる? いつも顔を左に背ける時、僕に腰を押し当ててきてるんだよ」

「ぅん……? なぁに…?」

「あんずちゃんの癖だよー。目がウルウルになったら、やめてあげないと、さすがに僕も我慢できなくなるからやめてたんだけどねー」



ボーとする頭。
私の癖? トワくんに腰を押し当てている?





「ーー今日は、このまま続けてみようか」





そう言って、私の髪を指でといて、そのまま口の中に舌を奥まで入れられた。
< 14 / 22 >

この作品をシェア

pagetop