花火に目がくらんでオチテいく
時間をかけた初めてのエッチは、夕方まで続いた。


痛みは少し。気持ちがいいほうが多かった気がする。何回も何回もトワくんが私に気をかけてくれて、本当にゆっくり。じっくりと時間をかけてくれたからだと思う。


「あんずちゃん、大丈夫?」

「……うん」


裸でベッドに横たわって、トワくんに背を向けると、後ろからトワくんが抱き締める。


「さっきからボーッとしてるー。何考えてるのー?」

「……」


自己嫌悪。
まんまと雰囲気に流されて、私は何をやっているの?


恥ずかしい。
消えたい。
死にたい。


別れたいと思っている相手に、自分から求めるなんて。なんて、はしたない女。


「“もっと”って甘えるあんずちゃん、かわいかったー」


言わないで。思い出させないで。
恥ずかしくて、死にそうってこういう時に使う言葉なんだ。
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