花火に目がくらんでオチテいく
友だちとの約束を優先させると、不機嫌になる。ひとりの時間も必要だって言った時は本当に自分のことが好きなのか何回も聞かれた。


口達者な彼には、敵わない。いつも私は言い合いになると負けてしまう。そして仕方なく納得するしかない。



「あんずちゃん、このボディクリームいい匂い。レジ行ってくるから待っててねー。今度マッサージしてあげるー」

「僕とお揃いの香水。女の子も使えるやつに変えたんだ。キツくないから大丈夫だよー。一緒の香りだと嬉しいよねー」

「飲み物一本でいいよね? シェアしよう」

「あんずちゃん、あんずちゃん。今日もかわいいー」




トワくんは完全に私に依存している。
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