彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません

 「あの、本当に昨日はすいませんでしたっ。先生の予定を邪魔した挙句、酷い醜態を晒してしまって・・・・・・どうお詫びしていいか・・・」

 「だから気にしなくていいって。俺が好きでやったことだから」

 「でも・・・・・・あ!昨日のお酒だって私払ってないですよね!?はっ、宿代も・・・・・・すいません・・・払わせてください」

 「朝から元気だね、吉岡さん。バーに付き合ってもらったのは俺だから、お代はもちろんいらないよ。部屋だって元々取ってたから気にする必要なし」

 「そんなわけには・・・・・・私は先生に助けてもらったのに、私は何もできていません。せめて、お礼をさせて下さい」

 先生のおかげで、昨日心に深く負った傷が間違いなく浅くなっているのは確かだ。一時的な可能性もあるけれど、でも沈んでいた気持ちも昨日とは段違いで軽くなっている。

 「じゃあさ、今度俺とデートしてよ」

 「・・・・・・デート、ですか?」

 「うん。昼間の、健全なデート」

 昨日助けてもらっておいて薄情かもしれないが、やっぱり先生はチャラいのかな?と思った。こんなふうにいつも他の女性を誘っているのかもしれない・・・。
 でも、私は確かに昨日助けてもらったんだから、先生のお役に立ちたい。よし。

 「わかりました。よろしくお願いします」

 私の返事を聞いた先生は、あどけない少年のように嬉しそうに笑ったんだ。その笑顔を見て、私の胸がトクンっと鳴った。

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