彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません
恵理ちゃんからの指示通り、みんな仕事を定時で終わらせ、いつもの韓国居酒屋に集合した。
「「「かんぱーい!」」」
結局、恵理ちゃんとしげぴーだけでなく、追加で同じ病棟看護師2人も加わり計5人になった。本当に仲の良い職場だと思う。
K-popの流れる店内でチャプチェやナムルの盛り合わせ、チャンジャ、キムチ、キンパなどお馴染みの韓国料理がテーブルに並び、わいわいとみんな箸もお酒も進んでいく。
「なんなのそれ!本当に許せないんだけど!」
私の振られた経緯を聞いた恵理ちゃんが声を上げた。他のみんなも口々にありえない、酷いと言い顔を歪める。
「慰謝料請求したいくらいなんですけど!てか、ひより手放すなんて、元彼も終わったわね。ひよりから聞いていた話ではいい人だと思っていたけど・・・がっかりだわ」
恵理ちゃんは本当にストレートにはっきりと意見を言うタイプ。もう付き合いも長いので慣れてしまった。元彼のゆうくんは酷い言われようだけど、恵理ちゃんが私のことを思って言ってくれているのはわかる。
「吉岡さんなら絶対良い人見つかるよ」
「ほんとそれ。素敵な人が現れる予兆じゃない?」
他のみんなも慰めてくれる。次なんてまだ到底考えられないけど、みんなの気持ちがただただ嬉しかった。
私の話が一通り終わった後も、みんなのプライベートや仕事の話で盛り上がり続けていた。
「やぁ、おつかれさま」
突然、私たちのテーブルにかけられた透き通った低音ボイスに、みんなが一斉にその声の主へ顔を向けた。