彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


 急に呼ばれた自分の名前に驚いて、しげぴーとほぼ同時に声の方へと顔を向けた。

 「先生っ・・・、どうしたんですか?」

 声の主は駆け足でこっちへ向かって来ている瀬名先生だった。

 チッと隣でしげぴーが舌打ちをしたのがわかった。よっぽど先生のことが嫌いらしい。


 「あのさ、このあいだの話だけど、」


 先生がちょっと息を切らしながら続ける。


 「今度の日曜でどうかな?」

 今度の日曜・・・・・・って、これ、言ってたデートのこと?でも先生、なんで今なの?わざわざ追いかけてくれてまで・・・・・・どうしよう・・・・・・しげぴーもいるのに。

 私が答えあぐねていると、また先生が口を開いた。


 「ごめん、急に。シフトも見ないとわかんないよね。じゃあ返事は、また連絡して」

 「っおい、どういうつもりだよ」

 私が返事をする前に、しげぴーが怒り口調で先生に問いかけた。
 先生に対してのしげぴーの態度にサーッと血の気が引いていく。

 おいって・・・いくらなんでも先生対して・・・そんな口の聞き方はっ・・・!


 「・・・・・・君には、関係のない話だよ」

 「お前っ、また吉岡にっ」

 「しげぴー!ちょっと!どうしたの!?落ち着いて・・・」

 先生に掴み掛かろうとしたしげぴーの腕を押さえてなんとか引き留めることに成功した。

 「吉岡、ごめん。でも俺、どうしてもこいつに言いたいことがある」

 「じゃあ、その話は今度ゆっくり二人でしようか」

 二人の間にただならぬ緊張感が走っている。


 「あの・・・」

< 15 / 15 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

忘れられない夏がすぐそこに。

総文字数/10,993

恋愛(純愛)26ページ

表紙を見る
雨降って、恋に落ちる

総文字数/3,579

恋愛(学園)9ページ

表紙を見る
御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?

総文字数/67,767

恋愛(学園)165ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop