彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません
ゆっくりと意識が浮上してきて、外の明るさにカーテンを閉め忘れたかなぁなんて思いながら重い瞼を持ち上げた。
まだボーッとする頭。数回瞬きを繰り返して、目の前の状況をやっと理解し目を見開いた。
(先生!?)
50cm程先にある麗しい寝顔は、間違いなく瀬名瑞貴先生だ。
ドッドッドッと心臓が暴れ出す。
私、どうしてこんなとこに・・・?昨日は・・・ここで先生に話を聞いてもらって・・・それからバーに行ったとこまでは覚えている。
すごく飲んだ覚えはある。
私・・・やらかしてしまったんだ・・・・・・!!
昨日、先生の胸を借りて大泣きした件に重ねて、酔い潰れて先生の部屋に泊まっただなんて・・・!あぁ〜・・・マズいよ。同じ職場の人とこんなことになるなんて・・・気まずすぎる。
恵理ちゃんにだってこんなこと話せないよ・・・。
こっそり布団の中を確認し、ほっとため息を吐いた。どうやら間違いは起きていないようだ。昨日の服を綺麗に着たままだった。
「ん・・・・・・ひよ・・・吉岡さん?」
「は、はいっ」
「フッ・・・おはよ。驚いてるね?」
寝起きでその笑みは反則では?なんなんですか。イケメンは寝起きで髪が乱れていてももイケメンなんですか!?
「大丈夫?頭痛くない?」
「だ、大丈夫ですっ」
そう言って私はガバッと起き上がった。その横で先生もゆっくりと身体を起こした。