私に一途すぎるお隣さんが、ついに溺愛を始めちゃう話。
チッと翔くんの方から聞こえた気がしたけど、気づかないふりをして部屋に入った。


お父さんは飲食店を経営していて、私はよくそこでバイトをする。

余ったものや、わざわざ私の食事として作ってくれる料理の数々を、お店の近くに住んでいる翔くんがよく持ってきてくれていた。



「日和さんの部屋、可愛いですね……」

「えへへ、ありがとう。美里くんはそこ座って。翔くんは私の隣でいい?」

「うん。俺取り皿持ってくるね」

「ありがとう!」


買ってきたものとお父さんの料理を机に並べる。


むすーっと頬を膨らます美里くんが目に入った。


「ど、どうしたの?」

「別に、なんでもないです」

「そっか」

「日和さん、本当にあの人と仲がいいんですね」

「うーん、幼なじみだからかなぁ。お兄ちゃんみたいな存在だよ」

「そうですか」


フッと嘲笑った美里くん。翔くんがお皿を持って戻ってくる。


「はい、日和。お気に入りの皿これだったよね」

「うん!ありがとう!」


机にお皿を並べてくれた翔くん。相変わらずご機嫌斜めの美里くんが気になりつつも、距離を考えなきゃ、と思って夜ご飯を食べ始めることにした。


「ん、日和これ美味しいよ。食べる?」

「うん、もらう!」



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