私に一途すぎるお隣さんが、ついに溺愛を始めちゃう話。
「えっ……?」


わ、私のことが……好き!?

焦る中、見えない2人がバチバチしていることだけはわかった。


「出てってください。さもないとここで既成事実作りますよ」

「な、何言って……!」

「いいんですね、アンタ」

「だめに決まってるじゃん、日和は俺のなんだから」


しょ、翔くんまで何言ってるの……!?


「……日和さん、ごめんなさい」

「え……?」


気づいたらまた、美里くんの綺麗な顔が目の前——


「……甘い、好き」

「ん、んなっ……!!」


私は、ファーストキスを奪われてしまった。



かぁぁと熱くなる頬。

相手が美里くんなので、すごく嫌なわけでもなくってそれが複雑で、どうにかなってしまいそうだ。


「……帰る」


翔くんは不機嫌そうに帰ってしまった。

だけど……一瞬だけ、微笑んだように見えた。



「……」
「……」


2人きり、まだぎゅっと抱きしめられながら視線が交わる。


「……あ、あの……はなしてもらえませんか……?」



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