私に一途すぎるお隣さんが、ついに溺愛を始めちゃう話。
「美里くんって背大きいね」

「日和さんが小さいだけですよ」

「そう?私平均身長あるよ」

「ギリギリ足りてないですよ」

「そっか」


……ん?ギリギリ足りてない?


まるで、私の身長を把握しているような口ぶり……いや、見たらわかるのかな?

あんまり気にしないでおこう……。


「日和さん……!あそこの店どうですか?」

「わっ、可愛い!ピン売ってそうだね」

「はい!」


シュシュやカチューシャなどが並べられているお店を見つけて、入っていく私たち。

私が手をはなそうとすると、許すまいと強く握られてしまった。


「み、美里くん、手一回離していい?」

「やだって言ったら?」

「それでもだめ。美里くんに似合うピン探すんだから」


そう言うと、しゅんとしながらも大人しく手をはなした美里くん。

並べられたピンに手を伸ばす。

私のと色、形ができる限り似ているものを選んだ。


「これ、買ってくるね」

「はい。あ、日和さん、俺も日和さんになんか買ってもいいですか」

「うん!もちろんだよ」

「ありがとうございます」


一度レジに行き、ピンを購入して美里くんの元へ戻る。

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