疎まれ王女は愛されたい
第8話 戴冠式
レティシアが次期国王に任命されてから1年後の春。レティシアは自室の窓から見える晴れた空を見上げて呟く。
「いい天気ね、戴冠式に相応しい快晴だわ」
レティシアが次期国王に任命されてから、ティアナとリリアーナはレティシアの前に姿を表さなくなった。後からレティシアがディオル陛下の近衞騎士である者から聞いた話によると、ディオル陛下はティアナ王妃と離婚したらしい。
その後、ティアナ王妃は娘であるリリアーナ王女を連れて城から出て行ったことを陛下の近衞騎士は教えてくれた。
「行きましょうか」
レティシアは星屑が散りばめられた青いドレスを身にまとい自室を後にした。
✧
戴冠式が始まり、レティシアは王冠を被って馬車に乗り王都の街を巡っていた。
馬車に揺られながら、レティシアは馬車の窓から見える民達に優しい笑顔を向けて、手を振りながら隣にいるであろうディオルに告げる。
「陛下、私は陛下のような良き王になります」
「ああ、期待している」
馬車に揺られながらレティシアは王都の風景を見つめる。
✧
昼前の王都の街を通り過ぎて行くレティシアが乗る馬車を遠目に見ていたエドルは今にも泣きそうな気持ちを抑えながら嬉しそうに呟いた。
「ユリアーネ、俺たちの娘は今日、王として即位するよ」
「いい天気ね、戴冠式に相応しい快晴だわ」
レティシアが次期国王に任命されてから、ティアナとリリアーナはレティシアの前に姿を表さなくなった。後からレティシアがディオル陛下の近衞騎士である者から聞いた話によると、ディオル陛下はティアナ王妃と離婚したらしい。
その後、ティアナ王妃は娘であるリリアーナ王女を連れて城から出て行ったことを陛下の近衞騎士は教えてくれた。
「行きましょうか」
レティシアは星屑が散りばめられた青いドレスを身にまとい自室を後にした。
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戴冠式が始まり、レティシアは王冠を被って馬車に乗り王都の街を巡っていた。
馬車に揺られながら、レティシアは馬車の窓から見える民達に優しい笑顔を向けて、手を振りながら隣にいるであろうディオルに告げる。
「陛下、私は陛下のような良き王になります」
「ああ、期待している」
馬車に揺られながらレティシアは王都の風景を見つめる。
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昼前の王都の街を通り過ぎて行くレティシアが乗る馬車を遠目に見ていたエドルは今にも泣きそうな気持ちを抑えながら嬉しそうに呟いた。
「ユリアーネ、俺たちの娘は今日、王として即位するよ」