私は何度でも君の道を照らす

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「新入生起立!」

星宮高校入学式。
なにもかもが新しく見える…なんてことは無いけど、新鮮な空気が流れている気がする。
…私の後ろの男子3,4人を除いて…。

「前の奴、笠原高校の推薦けったって噂の白川明日香?」

「いや、こんな中堅野球部のところに来るわけねーだろ」

丸聞こえですけど?喧嘩売ってるんですか?
後ろの奴のせいで入学式が台無しだ。

笠原高校とは女子野球部が強いことで有名な高校。監督から直々にお話をいただけたのだが、普通の高校生活を送りたいと、お断りした。

実際、女がプロの野球選手になったところで給料はそこそこだし、勉強して良い大学に行った方がこの先の人生が安定すると日本人的考え、ローリスクローリターンな考えで簡単に野球人生を諦めた。

すぐ諦めるところ、ほんとに変わってない。



「新入生代表、佐川春樹」

「え…」

周りがザワつく。それもそのはず。佐川春樹はこの辺じゃ有名な少年野球チームのエースだ。この人こそなぜこんな中堅野球部に来たのだ。



新入生代表の挨拶が終わり、私たちはザワつきが収まるのを待たぬまま体育館を後にした。
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