溺愛ラブホリック!
 会話は順調! でっ、でも、次にどんな話題を出したらいいっ!?

 教科書に乗ってたっけ。あれ? 思い出せない……緊張のせい?

「きょ、きょきょきょっ、今日は、い、いいてん、き、です、ね?」

「ぶはっ、カタコトすぎだし、緊張しすぎ。もっと柔らかくやれよ、月姫。俺は月姫の面白いところ好きなんだけど?」

「ほえっ? ……えっ、好き!?」

 今、星宮くんが、好きって!?

 フルルッて婚約チェッカーの振動が伝わってきた。

 慌てて見てみると、すごい勢いでギューンッとキュン指数と恋愛指数が爆上がりしてるの!

 あわわっ……ひ、ひとりだけドキドキしてちゃダメなのにっ、こんなのじゃ心臓が持たないよーっ。

「顔真っ赤。照れた?」

「ちっ、違うもんっ。星宮くんのバカ」

 私はふいっとそっぽを向いて歩きだして……それで、デートだから星宮くんのところに戻っていって手を握って。

 ふんっと荒く息をしながらも考えてきたプランで一番最初に行くカフェに行ったの。

 そこのカフェの名前は、海色カフェアリーって言って、若い男女どちらにも大人気な海をイメージしたカフェなんだ。

 海色カフェアリーは、星ノ宮学園内にあるんだけど、もちろんそこからは海が見えないから、代わりに星ノ宮学園内にある湖が見えるんだって!

 白鳥もときどきくるらしいんだけど、よくエサをあげているから人間に慣れてて可愛いらしい!

 ふふっ、きてくれたりするかな、白鳥さん?

 私は海色カフェアリーを見て、ふぅーんと頷いている星宮くんに、ドヤ顔を披露する。

「えへへ、どうですか? 星宮くんっ! 海色カフェアリー、楽しそうじゃないですか?」

「っ、まあな」

 ん? なんだろう? 妙に嬉しそうな顔してるような?

 えっ、もしかしてこういうメルヘンな感じが好きだったりするのかなっ!?

 可愛いもの好きなんだぁ……甘党……?

 ふふっと笑顔を星宮くんに向けると、ちょんちょん、と星宮くんと繋いでいる手を指さした。

「……? わわっ、ご、ごめんなさい、星宮くん……! でも、星宮くんってもしかして、甘党だったり可愛いもの好きだったりするんですか?」

「は……? っ……そ、そうだが、なにが悪い? 人にはそれぞれ好みがあるだろッ。甘党だし、可愛いものは好きなんだよ……」

「べ、別におかしいなんて言ってませんよ? 人にはそれぞれありますもん。私だってこんな子どもっぽい見た目して輝夜って名前なんですよ? おかしいじゃないですか。あははっ」

 まさか、本当に甘党で可愛いもの好きだったなんて、びっくりしちゃったよ。
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