溺愛ラブホリック!
 それに、こんな完璧超人に……!

「あ、す、すみません、ストロベリープリンセス、一つください」

 私は慌てて、いちごの入ったクレープを注文する。

 なんにも注文せずに居座るの、いけないもんねっ……。

 ここのストロベリープリンセス、すっごいおいしいって評判なんだぁ〜。

 楽しみっ。どんなクレープがくるのかな?

 聞くところによると、記事はもちもち、ホイップクリームはふわふわでとろけて甘くて、いちごは少しシャキシャキしてて、甘酸っぱさがたまらないんだって!

 ふふふふふ、楽しみすぎる〜っ。

 えへへ〜っと屈託のない笑顔を浮かべると、目の前の雅くんがこちらをガン見していることに気づいた。

 えっ、えっ? ど、どうして雅くん、こっちを見てるの?

 うぅっ、そんな真っ直ぐ見られると、照れちゃうよ……。

 そんな感じで、第一のデートプラン、海色カフェアリーはクリアした私達。

 途中途中聞こえてきた、

「見てみてっ、あの子かっこよくない?」

「え、芸能人!? かっこよすぎでしょ〜!」

「隣りにいる子羨ましい〜! でも、なんかお似合い……とは言いにくいような?」

「ダメダメ! しーっ。聞こえちゃうじゃないっ。でも、小動物っぽくて可愛くない?」

「えー、そうかなぁ?」

 ヒシヒシ伝わってくる、似合わないという視線が痛い。

 そ、そうだよね……雅くんとは、私なんて全然釣り合わないよね……。

 私ははぁっと溜息をついて、しょんぼりうつむいた。

 でも、これも契約だもん。我慢しなきゃ。

 そう思っていたら、雅くんの視線が、似合わない視線を向けていた女の子達へ向けられた。

 じぃっと睨むようにして数秒固まっていると、女の子達はその視線に気づいてひっ! と悲鳴を洩らしていた。

 こ、怖いよっ、雅くん!? 睨まなくてもいいのに……。

 だけど、私を守ってくれるためとか、そんなありえないことを思っちゃって、……それで、婚約チェッカーの表す愛指数は、ピョコッと上がっちゃったんだ。

 恋とかしたくないって思ってたのが、嘘みたいだよ。

 今はこんなに、雅くんのことばっかり考えてるの。

 契約だとしても、永遠にこの幸せな時間が続いてほしいって思っちゃう。

「……や? ……ぐや? ……輝夜? ほら、きたぞ?」

「っへ? あ、わーいっ、ストロベリープリンセスだぁっ! ふふっ、いただきます!」

 ハッと我に返って、目の前にあるストロベリープリンセスに目をやった。

 わぁ〜っ、すっごくおいしそう! いちごが光を反射して、キラキラ光ってるのもベストバランス!

 食べるのがもったいないくらい〜。
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