溺愛ラブホリック!
「わわっ、もうこんな時間! 教室に行かないと! って、教室ってどこにあるの? 何階? 校舎は!?」

 にゅっ、入学初日から遅刻!?

 うわぁっ、こんなのじゃ、中学生活三年間が不安だよ〜っ!

 ぜっ、前途多難すぎるって―――!

 そして結局、担任の三瀬先生になにやってるの! と説教されて、クラスメイトから笑われたんだ。

 ……うぅ、泣きたい……こんなのじゃ、友達なんてできっこないよ……。

 その夜、うわぁああ〜っとベッドにダイブして、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていたの。

 星ノ宮学園は全寮制だから、それぞれの生徒に部屋が与えられる。

 私は、女子寮の五階で、五〇四号室。

 最上階だから景色がとっても綺麗なんだよ!

 ときには満月も見られるそうで、輝夜って名前にぴったりかも? って思ったりしてる。

 ちなみに、男子寮が他にも合る。

 そして男子寮、女子寮は向かい合わせなんだけど、その真ん中に特別寮が立ちそびえてる。

 校舎には及ばないけど、ふたつの寮とははるかに桁違いの大きさを誇っている。

 ピカピカ輝いていて、まるで星のような輝きを纏っている、いわゆる星ノ寮!

 星ノ宮学園にふさわしい! って感じの、とにかくすごい寮なんだ、特別寮って!

 それに特別寮の壁は、紺色に塗られていて北斗七星の形をして黄金色で星が描かれているから、北斗七星寮って呼ぶ人もいるみたい。

 でも、これはこれで、いいスタート……とは言えないけど、面白いスタートかも!

 だって、全てが完璧じゃなくていいんだもんね。

 よーしっ、これから三年間、恋も友情も芽生えさせて、楽しい中学生活を送るぞ!

 私はひとりだけの部屋で、ぐっとベッドに横たわりながら拳を上に突き出したのだった。
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