溺愛ラブホリック!
「同じって……お前もパートナー作りたくないのか?」

 嘘だろって顔して、星宮くんは目をギョッと目を見開く。

 え、どうしてそんなに驚いてるんだろう、星宮くん? 人にはじぶんの生き方があるんだから、当たり前だと思ってたんだけど、そう思ってるの私だけ!?

「パッ、パートナー作りたくないっていうか、作れないっていうか……私をパートナーに選んでくれる人なんていないと思うし、私も今、失恋直後でちょっと恋とかしたくないんです」

「へぇ。可哀想だな」

 うっ。ド直球な言葉に、私の心に矢が刺さりましたよっ、星宮くん……!

 私はガラス張りの部屋でふたりきりの状態で話していたことに、今気づいた。

 あぁ、さっきポーイッて投げられてんだっけ? で、座って話ししてるんだった。

 記憶喪失並みに忘れてたよ。

「可哀想って……もうちょっと言葉選べないですか、堅物」

 ハッ。またもや本音が!

 星宮くんは、ほほぉ? と青筋をピキピキッとおでこに浮かべて、手の指をボキボキッと鳴らした。

 ひぃっ、怖いよ〜っ!

 顔を青ざめて後退りする私に、星宮くんは怖い怖い、それは鬼の形相で追い詰めてくる。

「か、勘弁してくださいっ、星宮様!」

 目に涙が浮かびつつも、私はついにドンッと壁に背中が付いてしまった。

 私は恐怖のあまり、ギュッと目をつむった。

 でも、痛みはいくら経ってもなくて。

「へっ!?」

 な、なんで私、星宮くんにかっ、かかっ、壁ドンされてるの……!?

「月姫輝夜。俺はお前を気に入った。俺のパートナーになれ」

「へっ……はぁ〜っ!?」

 私の絶叫謙、すっとんきょうな悲鳴が、ガラス張りの部屋に響き渡った。
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