運命なんていらない
「今日の5時限目って数学だっけ?空羽(くう)?」
「うん〜そうだよ〜」
「え〜だっる」
昼休み。私は真奈美(まなみ)とお弁当を食べていた。
ちなみに、今日のメインおかずはお好み焼き、昨日の夕飯に作って余ったものをいれてきたのだ。
昨日はキャベツが安かったんだよな〜、スーパーで80円で売ってるのを見た時は我ながら興奮しちゃったよ。
関西の出身ではないけれど、もちろんお好み焼きは大好き。
熱々のふわふわに、濃いソースの味が最高なんだよなぁ…
うん、まずい。
冷えきったお好み焼きは、どんなに前向きに捉えようとしても食べれたもんじゃない。
いや、食べるけども。
だいたい、お弁当に
「…ってば!ちょっと空羽!?私の話聞いてる??無視しないでもらえますか〜?」
「え!あ!ごめんごめん?え〜っとなんだっけ?」
すっかり、自分のお弁当のことばかり考えてしまっていて全く真奈美の話を聞いていなかった。
あはは、と苦笑いをして誤魔化す。
「だ〜か〜ら〜!隣のクラスの王子が腹黒説について、空羽はどう思う?って聞いてるの!」
「あ〜華美(はなび)くんのこと?」
「そうそう、あんなに性格がいい人が腹黒じゃないなんて有り得ないんだから!」
私が激まずお好み焼きをもしゃもしゃと食べている間にも、真奈美は隣のクラスの華美くん腹黒説を永遠と語っている。
現在高校生の真奈美は、中学生の時サッカー部の超イケメンの彼氏にひどい振られ方をした過去を持っている。
それが、トラウマとなったのか、高校生となった今でもイケメンが大嫌いなのだ。
そして、今回は隣のクラスで「王子」とあだ名がつく程にカッコイイ華美くんが腹黒ではないのかと疑っているらしい。
そう…今回は、だ。
「真奈美〜?これで、イケメンは全員悪い人説を立証しようとするの何回目?そして、今まで一回も立証したことないよね?」
「うぐっ…でもさぁ」
先程までの勢いを消してゴニョゴニョと何か言いながらサンドイッチを食べる友人の横で小さくため息をつく。
そう、真奈美はイケメンなら無条件に裏の顔があると決めつけて探るのだ。
イケメンに対して説を立てるのはこれで何回目だろう。いつも何の根拠もないのに
「○○は三又してる説!」やら
「○○先輩は整形してる説あるよ!」などと騒いでいる。
そして、その度に毎回私と一緒に本当なのか調べるが、いつも真奈美の仮説が正しかったことは無い。
「でもさ〜あんなに優しいのに腹黒じゃなかったらただの王子じゃん。」
「別にいいんじゃないの〜?ただの王子で」
「ねぇ!ちょっと華美くんについて調べてみようよ!」
ほら出た、と私は思いながら最後の一口を食べる。
もう一生、お弁当にお好み焼きは入れない。
このまま、聞こえなかったふりをしてやろうかと思っていると
「ジュースおごるから!」
という言葉が聞こえてきて、思わずピクリと反応してしまう。
お恥ずかしいことに、私は、「おごり」という言葉にとても弱いのだ。
それがたった100円くらいだとしても…
「ひゃ、180円でもいいの?」
「もちろん!なんなら二本買ってあげるよ!」
くそ…180円に釣られる女…なんてダサいのだろう。
そして、180円で釣ろうとするこの女はなんて性格が悪いのだろう。
なんだか、悔しくなってきた、やっぱり断ろうか、そう思っていると授業5分前の鐘が鳴った。
「やっば!急いで教室戻らないと!数学のたかちゃん、マジで遅刻したらめんどいもん!急げ空羽!」
たかちゃんこと、高田先生の面倒くささは私も分かっている。
ちょっと遅刻しただけで、梅雨の季節よりもじめじめとした感じで怒ってくるのだ。
「まぁとりあえず、詳しいことは放課後決めようね!今度こそ立証してみせるぞー!!」
「おー」
全く乗り気ではないけれど、1度した約束をやっぱり…なんて言って断るのも私のポリシーに欠ける。
こうして、華美くんの調査はスタートを切った。
「うん〜そうだよ〜」
「え〜だっる」
昼休み。私は真奈美(まなみ)とお弁当を食べていた。
ちなみに、今日のメインおかずはお好み焼き、昨日の夕飯に作って余ったものをいれてきたのだ。
昨日はキャベツが安かったんだよな〜、スーパーで80円で売ってるのを見た時は我ながら興奮しちゃったよ。
関西の出身ではないけれど、もちろんお好み焼きは大好き。
熱々のふわふわに、濃いソースの味が最高なんだよなぁ…
うん、まずい。
冷えきったお好み焼きは、どんなに前向きに捉えようとしても食べれたもんじゃない。
いや、食べるけども。
だいたい、お弁当に
「…ってば!ちょっと空羽!?私の話聞いてる??無視しないでもらえますか〜?」
「え!あ!ごめんごめん?え〜っとなんだっけ?」
すっかり、自分のお弁当のことばかり考えてしまっていて全く真奈美の話を聞いていなかった。
あはは、と苦笑いをして誤魔化す。
「だ〜か〜ら〜!隣のクラスの王子が腹黒説について、空羽はどう思う?って聞いてるの!」
「あ〜華美(はなび)くんのこと?」
「そうそう、あんなに性格がいい人が腹黒じゃないなんて有り得ないんだから!」
私が激まずお好み焼きをもしゃもしゃと食べている間にも、真奈美は隣のクラスの華美くん腹黒説を永遠と語っている。
現在高校生の真奈美は、中学生の時サッカー部の超イケメンの彼氏にひどい振られ方をした過去を持っている。
それが、トラウマとなったのか、高校生となった今でもイケメンが大嫌いなのだ。
そして、今回は隣のクラスで「王子」とあだ名がつく程にカッコイイ華美くんが腹黒ではないのかと疑っているらしい。
そう…今回は、だ。
「真奈美〜?これで、イケメンは全員悪い人説を立証しようとするの何回目?そして、今まで一回も立証したことないよね?」
「うぐっ…でもさぁ」
先程までの勢いを消してゴニョゴニョと何か言いながらサンドイッチを食べる友人の横で小さくため息をつく。
そう、真奈美はイケメンなら無条件に裏の顔があると決めつけて探るのだ。
イケメンに対して説を立てるのはこれで何回目だろう。いつも何の根拠もないのに
「○○は三又してる説!」やら
「○○先輩は整形してる説あるよ!」などと騒いでいる。
そして、その度に毎回私と一緒に本当なのか調べるが、いつも真奈美の仮説が正しかったことは無い。
「でもさ〜あんなに優しいのに腹黒じゃなかったらただの王子じゃん。」
「別にいいんじゃないの〜?ただの王子で」
「ねぇ!ちょっと華美くんについて調べてみようよ!」
ほら出た、と私は思いながら最後の一口を食べる。
もう一生、お弁当にお好み焼きは入れない。
このまま、聞こえなかったふりをしてやろうかと思っていると
「ジュースおごるから!」
という言葉が聞こえてきて、思わずピクリと反応してしまう。
お恥ずかしいことに、私は、「おごり」という言葉にとても弱いのだ。
それがたった100円くらいだとしても…
「ひゃ、180円でもいいの?」
「もちろん!なんなら二本買ってあげるよ!」
くそ…180円に釣られる女…なんてダサいのだろう。
そして、180円で釣ろうとするこの女はなんて性格が悪いのだろう。
なんだか、悔しくなってきた、やっぱり断ろうか、そう思っていると授業5分前の鐘が鳴った。
「やっば!急いで教室戻らないと!数学のたかちゃん、マジで遅刻したらめんどいもん!急げ空羽!」
たかちゃんこと、高田先生の面倒くささは私も分かっている。
ちょっと遅刻しただけで、梅雨の季節よりもじめじめとした感じで怒ってくるのだ。
「まぁとりあえず、詳しいことは放課後決めようね!今度こそ立証してみせるぞー!!」
「おー」
全く乗り気ではないけれど、1度した約束をやっぱり…なんて言って断るのも私のポリシーに欠ける。
こうして、華美くんの調査はスタートを切った。