DREAM WORLD






そっと和室の扉を開けると

お母さんが居た。

仏壇の前で

泣いてた。

お父さんが死んだとき

お母さん、泣いてなかった。

泣いてる僕に

『今日からは二人で暮らそうね』

お父さんが死んだとき、

お母さん笑ってそう言ったよね。

本当は泣いてたのかな。

僕の居ないところで

ずっと泣いてたのかな。




「あなた…ごめんね

私、一人で琢磨を
育てていくなんて
できなかったわ。
だから許してちょうだい。

琢磨にも、
謝らないとねいけないわね。
あんな約束しといて…
結局情けない母親だわ。

ごめんなさい。
いまであなたを愛していたわ。
あなたが死んでも愛してたわ。
これからも愛し続けるから
天国で見守っててちょうだい。」




泣き続けるお母さん見て、

一滴の涙がこぼれたと思ったら

どんどん溢れてきて

僕は大泣きしてた。




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