ないしょ暴露ゲーム ーシンユウの為なら秘密も言えるよね?ー

Prolog

「どうして、みんな平気でウソつくんだろ……」
ここは、とある研究所の一室。
"今までにないような研究をし、論文を作成する"という課題をこのBグループに与えられ、早2週間。
アイディアが浮かばず、途方に暮れていたときだった。
先程の発言を放ったのは、大学を出たばかりの新人、新島さん。
「どうしたの、新島ちゃん」
Bグループの中で1番歳上の岩本さんが、コーヒーを飲みながら尋ねる。
1番歳上と言っても、36の現役だ。
「彼氏に二股かけられて別れました……」
長い爪を惜しみなく見せながらスマホを弄る新島さん。
そうか……、大変なんだな……。
俺は、彼女とか考えられないし……。
すると、急に田中さんが立ち上がる。
「今の新島さんので、閃きました」
田中さんは、「期待しておいてください」とウィンクして会議室を出て行った。



数日後。
今は、「出来ました!」と田中さんが持ってきてくれたプロットを眺めている。
「これ、すごくいい!」
一通り目を通したらしき伊藤さんが明るい声で言った。
「けどこれ……かなり大変じゃない?」
心配そうに口を開く新島さん。
「でも、期限も迫ってるし、やるしかない。これで許可をとってくる」
本当に大丈夫なんだろうか。
俺は正直反対だったが……みんな乗り気だし、仕方ない。
やるしか、ないんだ。


こうして、悪魔のようなゲームは作られる。
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