甘すぎる幼馴染に砂糖漬けにされる
__数分後。
はるくん達の番になって、
2人は廃病院に入っていった。
行かないでって言えたら良いのに。
あいにくそんな勇気も性格も
持ち合わせていない私は、黙って2人が
廃病院の闇に溶けていくのを見ていた。
その1分後、
ついにわたしたちの番がやってきた。
もやもやしてる場合じゃない。
肝試し乗り切らなきゃ。
「紫乃、行こ!」
「う、うん... 。」
優愛ちゃんと手を繋いで恐る恐る入る。
「おー、結構暗いなー。
怖そうな雰囲気、出てんな!」
余裕そうな西村くん。
怖そうっていうか私は怖いよ... 。
真っ暗で、ベッドなどが無造作に
置かれた寂れた病院。
もう病院ってだけで怖いよね... 。
身をすくめながら廊下を
歩き進めていたその時。
ガタンッ!!
「きゃぁぁぁっ!?」
急に何かが落ちたような
大きな物音が聞こえて、
私は大声で叫びながら全速力で走った。
「え、紫乃っ!? ちょ、!!」
「紫乃ちゃん...!?」
後ろから聞こえてきた優愛ちゃんと
西村くんの声はもう私の耳には
入っていなかった__。