皇太子に溺愛された商人
「お兄さん、見て行って。」

「俺は男だよ。」

「いい人に買って行ってあげなよ。きっと喜ぶよ。」

男はそう言うと、大抵1本買って行く。

女は調子に乗せると、2本も3本も買って行く。

両親から受け継いだ商売方法だ。


「今日も元気だな。」

「あっ、小龍。」

近くの八百屋の息子である小龍。

小さい頃から知っている、幼馴染みだ。

特に男の子が欲しかったお父さんは、小龍を可愛がっていた。


「なんだか商売人が板について来たな。」

「お互いにね。」

小龍も店を任されて、顔つきが変わった。


「なあ、美玉。そろそろ俺達年頃だな。」

「何の?」

「結婚する年頃。なあ、美玉はどう思ってるのさ。」
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